水には薬事作用が有るとされる国も有り、“その水を飲んで病気が治った”という伝説は世界中にあり、たとえばフランス南西部にある“ルルドの泉”は奇跡の水として有名である。
この泉は、ピレーネ山脈の雪解け水が地下水となり、鉱石(天然石)のミネラルとエネルギーを受けて、最良の天然活性水となったものである。
日本では岡山県に、“新見の水”という良質の天然水がある。この鉱山で働く人がそこでわく水を飲んで病気が治り健康になったと、昔から言い伝えれている。また、この近くの鉄道線路もさびない不思議な水として有名である。そこの地層は、花こう岩、石灰石、磁鉄鉱の3層からなっていて、最上部のケイ素(シリカ)を含んだ花こう岩には水の浄化作用があり、中層部はカルシウムを含む石灰岩でカルシウムを溶出し、最下部の磁鉄鉱は電磁波エネルギーの作用があり、おのおのの相乗効果で良質に水がつくられている。これはまさに、本項に示す天然石処理水そのものといえよう。
銘水百選に選ばれている水は、自然界で創られた天然石ミネラルウォーターと考えて良いであろう。環境汚染で一番先にわれわれの生活に影響が出るのは水であるこの水が汚れ、有害物質が溶け込み、地層や動植物で濃縮され、水道水もそのままでは飲めない時代になってしまった。現在、多くの浄水器や活水器が販売されているが、現状を認識して有害な物質を取り除き有効な天然石のミネラルウォーターと、電磁波エネルギーのある“新見の水”に相当する身体に良い水をつくるにはどうすればよいのだろうか。
筆者は40年間水処理の 仕事を体験しながら、その大半を、水を溶媒としてとらえて濁りを取り、溶解しているイオンを除くことのみに重点をおく仕事をしてきた。その中で最終的に純水をつくるべきという結論に到達し、逆浸透膜処理の良さに引かれ、20年以上が経過している。結論として、大自然の雨水をつくる→逆浸透膜処理 に続いてミネラルを微量に含んだ電磁波エネルギーをもつ水をつくる→天然石ミネラルフイルターとすれば、水道水から手軽に良い水をつくれるのではないか、という結論に達した。
膜処理技術の進歩も著しいものがある。純水は、工業的には良い水であり、ボイラー用水、洗浄水として最適といえる。しかし、味のない水で、飲料水としては不適当である。純水を雨水、雪解水とし、つぎに有用ミネラルと電磁波エネルギーを加えた水にすれば、“ルルドの泉”や“新見の水”になるはずである。
筆者は、1998年に米国での水事情を視察し、水の宅配事業を開始した。それは、RO水をそのまま瓶に充填して出荷しているものであった。ただ、米国と同じ方法をとると、日本の場合、原水にミネラルが少ないうえにそれを純水にするため、味のない水となる(米国ではもともと硬度が高く、RO処理してもミネラル分は5〜10%残りちょうど良い水になる。)そこで、ミネラル補給のためさまざま方法を試み、試行錯誤のうえ、つぎのC項に示す方法でおいしいROミネラルウォーターをつくった。
図5・89を見ればわかるように、六角形の結晶ができている。これはまさに、“天然石処理水”、すなわち自然界のミネラルウォーターそのものを工場でつくり出したものといえよう。
ミネラルの 溶出 純水(RO処理水)にはカルシウム、マグネシウムは微量しか含まれず、そのまま生水を飲むと敏感な人は下痢をすることがあり、飲用には不向きである。したがって、多くのミネラル剤をテストしてみたが、沖縄産のサンゴ岩石の使用により一番おいしい水がつくれることがわかった。このサンゴ岩石は数万年前のサンゴ礁が隆起して岩石となった植物性のミネラルである。私たちの身体に吸収されやすいものとしてカルシウム補給剤として医薬品にも採用されているものを使用している。昔の海のミネラルが,ROミネラル水の原料となっているのである。
天降石という天然石を使用し、岩石そのものとセラミックに加工したものの両方を併用し、効果を出している。この天降石(SGEストーン)は、九州最大の火山地帯である大分、熊本、宮崎県にわたる祖母山系傾山地帯に産する花こう岩マグマが変成した岩石で、電気石(トルマリン)をしのぐエネルギー鉱石である。この天降石、赤外線の電磁波エネルギーをもち、育成波長といわれる4〜14μmの遠赤外線エネルギーを放出し、水のクラスターを切断して活性化する働きがある。
天降石は、化学組成ではカリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどの主要元素のほかに必須微量元素も約32種類もあり、糖尿病を改善するバナジウムやコバルト、チタン、セレンなど一般の岩石ではみられない希土類元素を含む天然石である。各方面からこの水を飲んで効果があったという評価を得ている。
水道水はカルキが多く風呂に入ってもカルキ臭を強く感じる
又水源が汚染され、浄水場では浄化のための塩素を以前より多く使う様になった。その害が我々の健康をむしばんでいるのは事実である入浴 洗顔にも問題があり肌に悪いRO浄水器は飲み水と調理用、洗面用だけに用い 洗濯、入浴用水は水道水そのままで使用という場合が多くみられます
有機塩素化合物、ヒ素、フッ素、硝酸性窒素、ダイオキシンなど、水道水も不安で飲めない時代が目前にきている、 また、水の科学は、この20年の間に大きく 変わろうとしている、真に身体に良い水とは何かを学び、本物の良い商品を利用されることを願う次第です。
塩素の害を防ぐため入浴用シャワーに活性炭を取り付けているシャワーヘッドもあるように、家庭全体の使用水を天然石処理水とし、その中で飲料関係をROミネラルウォーターにすれば、快適な生活が出来るのではないだろうか天然石処理水の利用範囲は水に電磁波エネルギーを与える天然石を使うとあらゆる面で水が活性化すると言われている電磁波照射 時間は短時間で作用し、その効果は
十分実証されている。
天然の岩石を混合して非常に高い高温度で焼き固めたセラミックスは 天然の麦飯石と 異なり、ミネラルの溶出はなく、常温でも成長を促すとされる波長の遠赤外線を放射する、この遠赤外線の非加熱効果を利用して農業栽培分野では植物の生育促進、青果物 の鮮度保持、食品加工の分野では発酵課程での成熟促進、米飯中の含水量及び糖度の向上などのさまざまな興味ある現像が話題になっている。マインタイトセラミックスは数種類の天然の鉱石とカルシウム、マグネシウム、ケイ素 、ジルコニウムなどで構成された天然の岩石を主成分として混合し、非常に高い高温で焼き固めたものである遠赤外線の波長が3〜14umの電磁波は、生きた
細胞にとって、効果的な影響を与えるエネルギーであることが最近の研究結果からわかってきている、
このセラミックスは分光放射輝度スペクトル法で測定すると、放射最大波長が上記領域内で遠赤外線を放射していることが解明されている。セラミックス処理水は
このようなセラミックスを筒の中に細密充填したものの中を、通常気泡を生じさせないため、および機能化の効率を高めるため、充填筒の下から上へ水道水(原水)を通水
処理すると得られる、1回通水処理でも十分機能化するが循環型ではその効力が増大する傾向が認められている、通水中に、セラミックス球の表面と直接接している水道水が、セラミックス球から放射された遠赤外線の効果によって水が機能化すためである、後述するが、セラミックス水はクラスターサイズの小さな水になっているのが特徴である。
日常われわれが飲食する食品の大部分は水であり、食品の調理にも水は欠かせない。食品中の水は溶媒としての働きのほかに食品の微妙な味覚やテクスチャーや保存性を左右するなど、食品の品質と重要な関係にある。保存食には乾燥食品冷凍食品など、数多くあるが、いずれも、食品中の水を制御して、微生物の成育を防止し、保存性を高めている。低温では、微生物の増殖や食品成分の物理化学的性状変化を抑えることができるので、低温利用は品質保持の手段となっている。しかし、食品を冷凍保存すると、食品本来の品質を損ない、食品価値を低下させる場合が多い。一般に、植物組織は動物組織よりも凍結に対して弱く、損傷も受けやすく、解凍後も戻りにくい。トマトなどのように、水分が多く、繊維質のものより、ポテトや豆類のような、水分が少なく、デンプン質のもののほうが、未熟より完熟のほうが凍結による損傷が少ない。また、凍結・脱水による塩濃度や、タンパク質濃度が増大するにつれて、相分離現象が起こり、品質が低下することもある。コンニャクゲルや寒天ゲルでは、脱水現象によりスポンジ化する。食品の凍結・解凍過程は、まさに水−氷構造の特性変化が非常に重要な役割をしている。
食品中の水は自由と結合水とに分けられる。純水状態にあると同じ性質をもつ水は自由水とよばれる。一方、電解質、タンパク質、糖質、などの溶質分子と強く相互作用して、溶質分子表面に束縛された状態にある水は結合水とよばれる。とくに強く束縛された結合水は、凍結しにくいので不凍水とよばれ、普通の水とは異なる性質を示す。食品を凍結する際にはまず自由水が凍結し、ついで結合の弱い水から順に結合水が凍結していく。不凍水が多い構造ほど、食品の凍結耐性は高い。食品組織のなかには、狭い隙間が多数あるが、この隙間のなかに存在する水は凍りにくい状態にある。
食品を調理する際には、食品を構成する溶質粒子の間に引力が働いているため、凝集することがある。このような粒子間の凝集を妨げて、安定化する原因として、静電効果と立体効果とがある。静電効果は、粒子の表面電荷と、これを取り巻くイオン雰囲気とからなる粒子表面間の静電反発力で決まる。これらの粒子の表面に、吸着層や水の溶媒和層がある場合には、立体的な障害となって、凝集が起こりにくい。したがって、食品の分散特性を高めるには、粒子の表面特性とその安定化機構、また、周囲に存在する水の挙動が重要な問題となる。
機能水を用いた食品の品質向上化への明確な理論体系は確立していないが上述した食品のまわりの水の特性を高めてやれば、向上化につながるのは事実である以下にその応用例について述べる。
セラミックス処理水を用いた米飯中の含水量および糖度の向上
(1)歩留りの向上 2種類のブレンド米(富山県産コシヒカリ50%と石川県産コシヒカリ50%)を用いて、水道区(つくば市)、マイティ区(原水を伸榮産業製セラミックス球2中型248個を最密充填した筒に水道水を1回通水処理した水)、イレブン区(原水を同上セラミックス球2大型10個を最密充填した筒に水道水を1回通水処理した水)ついて検討した。
炊飯後の米飯中の加熱吸水量(加熱後吸水量)は、水道水に比べてセラミックス水のほうが明らかに多く、約2倍高い数値を示した。水分含量が増大することは、米の芯の部分にまで水が浸透していることを示唆するものと考えられる
。このことは、吸水量を促進するセラミックス水の場合、炊飯時に水浸透時間や蒸らし時間を大幅に短縮、あるいは省略できることが期待される。
(2) 甘味の向上 水道水を用いて炊飯した場合には、糖度が8であるのに対して、セラミックス水を用いた場合では、マイティ区が18となった、セラミックス水を用いた場合には、水道水を用いた場合に比べて、糖度がそれぞれ3倍および2倍高くなることがわかったセラミックス球1個の米セラでも糖度が5割増大した。
セラミックス水を用いると、糖度が増加することは、米飯の甘味を感じる食味の向上に大きく影響を与えることが示唆される。すなわち、食味およびテクスチャーの向上及び従来の作業工程を短縮できて、かつ、高品質の米飯を得るうえでもセラミックス水を用いる方がよいと考えられる。
(ii) 磁気処理水を用いた米飯中の糖度の向上
同様の方法で、機能水として磁気処理水を用いて、米飯中の糖度の向上について検討した。磁気照射密度が小さい磁石では、糖度は水道水に比べて約1割ほど増大した。水道管での中心での磁界強度が4000ガウス以上の高い磁気照射密度の磁石では、糖度は水道水(枚方市)に比べて約4割ほど増大することが認められた磁気処理水では、表面活性の高い機能水になっている。そのため、米飯粒子表面での溶解現象が起こりやすい。磁気処理水が、米飯粒子の内部にまで深く、水が浸透しないために、セラミックス処理水に比べて、糖度がそれほど向上しないと考えられる。すなわち、アミラーゼ酵素などの働きが表面でのみ促進されるために、糖度の向上に限度が認められるのかもしれない。
液体の水を加熱すると、温度上昇とともに表面にある水分子は周りの水分子の引力を振り切って、表面から飛び出していく。この現象が蒸発である。水の蒸発は室温でも起こっている。水のクラスターサイズが小さければ、液体の水は周りの水分子の引力も弱く、蒸気の状態に近いために、水分子は表面から飛び出しやすく、蒸発も速い。水のクラスターサイズが大きければ、液体の水は氷の状態に近く、水分子は互いに水素結合で大きなサイズのクラスターを形成している。水が蒸発するためには、この水分子間の水素結合を切断する必要があるため、外からエネルギーを吸収しなければならない。そうでなければ、分子間の水素結合のために、蒸発しにくいことになる。このように、水分蒸発量の測定は、クラスターサイズを観測しているため、機能水の評価法としては悲破壊測定法の一つとして期待される。
蒸発速度は温度に敏感に依存するため、厳密な温度制御が必要である。外気の温度差に影響されないように、槽を二重にする。外側の槽(温度調節室)を温度調節することによって、内側の槽(計量室)の温度を一定に保つことが必要である。外気の湿度についても、同様に二重構造にして、内側の槽(計量室)の湿度を一定に保つ必要がある。市販の装置としては、神榮産業(株)製農水クラスターサイズ分析装置SKJ-500がある。恒温恒湿の内槽の計量室に、精密電子天びんを置く。そのすぐ横に、直径約20pの円柱筒を置き、その中に機能水を入れる。機能水の温度が一定になれば、測定を開始して、電子天びんの重量の変化を経時的に測定する。縦軸に水分蒸発量を、横軸に経過時間をとり、その初期勾配から水分蒸発速度の程度が吟味できる。この値は、小さければ水のクラスターサイズが小さく、逆に大きければクラスターサイズが大きいか、水分子が蒸発しにくい構造を取っていることが判断できる。
b適用例
蒸留水、水道水、遠赤外線放射セラミックス水および磁気処理水の水分蒸発量の経時変化を示したものである。蒸留水は蒸留した後、2日間保存後に使用した。そのため、水のクラスターサイズが比較的に大きなものである。
水道水は、採水直後のものであるため、水道管と流れの方向とで切断応力がかかっているため、クラスターサイズがいくぶん小さくなる傾向がある。水分蒸発量でも、初期の状態では水道水のほうが、蒸留水に比べて蒸発しやすいことがわかる。
遠赤外線放出セラミックス水は、放射遠赤外線の効果でクラスターの水素結合を切断するため、小さなクラスターサイズの水に機能化される。そのため、水分蒸発量は蒸留水、水道水に比べて、非常に蒸発しやすい水であることがわかる。
磁気処理水は、表面張力が低くなり、かつ、クラスターサイズの小さな水分子が水の表面から蒸発するとき、これらの表面に配向した水分子と衝突したりして、立体障害的に水分蒸発を阻害するため、水分蒸発が抑制される。測定効果も、100分以降の経過時間からそのような傾向が認められる。
セラミックス球を細密充填した筒の中を 1回通水処理した水、および原水の水道水について、その特性値を比較した、溶存酸素量はセラミックス水では12〜13rmL-1で、水道水では10rmL-1で、若干の差異が認められる。酸化還元電位はセラミックス水が580mv、水道水が500mvであった。導電率は両者とも0.3sm-1の値で変化が認められなかった。天然の麦飯石のように、石に含まれている微量成分が溶出はないことがわかる。セラミックスを通した水がどのように変化しているのかについての詳細な原理はまだ解明されていないのが現状であるが、セラミックスから放出される遠赤外線の微弱エネルギーによって、水構造が何か変化することは事実である。水分子間のクラスターを形成する水素結合は、約
5 カロリー/モル程度のエネルギーであるため、このエネルギーに相当する光は約5чmの波長に相当する。上述のマインタイトセラミックスは、放射最大波長が8чm近傍で遠赤外線を放射していることが解明されているために、十分水分子間のクラスターの水素結合を切断することができる。このため、クラスターサイズの小さな水に変換している可能性がある。両者の水分蒸発速度を測定すると、大きな差異が認められ、セラミックス水のほうが水道水に比べて明らかに蒸発速度が大きいことが認められた。このことから、セラミックス水のほうが水道水に比べて、クラスターサイズが小さくなっていることが推察される。
@ 米飯中の含水量および糖度の向上
米はわれわれ日本人の主食として重要な産物である。米の食味には、化学的味覚と米飯の硬さや粘りといった物理的テクスチャーが強く影響する。これらに影響する要因としては、米の産地の違い、加える水の違いである。しかし、加える水分量が同じであっても機能水を加えることによって、米に限らず食材への水分吸収量や糖度など成分の違いが現れる。商品としての食品はこれらの差が大きな味覚差となるため重要である。そこでセラミックス水を用いた場合の米に対する吸水量および米飯中の甘味の向上の例について紹介する。
(1)歩留りの向上 原料米は2種類のブレンド米(富山県産コシヒカリ50%と石川県産コシヒカリ50%)を用いた。使用した水は、水道区(原水としてつくば市の水道水を用いた)、マイティ区(原水を神榮産業製セラミックス球2中型248個を最密充填した筒に水道水を1回通水処理した水)、イレブン区(原水を同上セラミックス球2大型10個を最密充填した筒に水道水を1回通水処理した水)について検討した。
原料米および試料の浸漬1時間後の米1g当たりの水分吸収量の結果は、水道水と比較してセラミックス水のほうが約2割ほど多くなった。しかし、炊飯後の米飯中の加熱吸水量(加熱後吸水量)の結果は、水道水に比べてセラミックス水のほうが明らかに多く、約2倍高い数値を示した。
一般に機能水は熱を加えると機能が低下する、または消滅するといわれているが、これらの実験結果より、セラミックス水は逆に熱を加えることによってさらに吸水量が増加すること、加熱することによって、さらに機能化されることが示唆される。また、吸水量が多くなることは、炊飯後の膨張容積が水道水より大きくなることを意味し、業務上では“かま増え量”、つまり“歩留りの向上”といわれ、重要な品質要素の一つである。すなわち、食感を損なわない限りにおいては、米に対する吸水量が多いほど好ましいといえる。
セラミックス水では、クラスターサイズの小さい水分子ができるために、水分子の運動エネルギーが高く、米に対する浸透性も高くなるために水道水の場合に比べて水分をよく吸収することになる。今回の結果から、水分含量が多量に増大することは、米の芯の部分にまで水が浸透していることを示唆するものと考えられる。このことは、吸水量が多いセラミックス水の場合、炊飯時に水浸漬け時間を大幅に短縮、あるいは省略できることが期待される。
(2)甘味の向上 水道水を用いて炊飯した場合には、糖度が8であるのに対して、セラミックス水を用いた場合では、マイティ区が23、イレブン区が18となった。
セラミックス水を用いた場合には、水道水を用いた場合に比べて、糖度がそれぞれ3倍および2倍高くなることがわかった。セラミックス球1個の米セラでも糖度が5割増大した。糖度の向上、すなわち糖がセラミックス水で増大することはデンプンや高分子量の多糖がなんらかの形で分解されやすくなったためと考えないと説明できない。したがって、セラミッククス水のクラスターサイズの小さい水は浸透性が高いために浸漬の初期段階で米の内部にまで深く浸透し、つぎに起こるアミラーゼ酵素などの働きが促進されたため、糖度が増大したものと考えられる。このように、セラミックス水を用いると、糖度が増加することは、米飯の甘味を感じる食味の向上に大きく影響を与えることが示唆される。すなわち、食味およびテクスチャーの向上、及び従来の作業工程を短縮し、作業時間を短縮できて、かつ、高品質の米飯を得るうえでもセラミックス水を用いることは重要であると結論される。
その他の食品産業への応用 セラミックス水を用いると、惣菜では薄味で美味しく、味付けの幅が広がり、素材そのものの味を引き出したものになる。豆腐では、ブリックス(豆乳濃度)を上げ、離水がしにくい豆腐ができる。製めんでは、こしがあって、うまいめんを作ることができる。漬け物では、短時間でつかり、日持ちが良くなり、塩分の使用量をカットできる。お酒では、日持ちが良く、お酒の透明感が持続することなどもいわれている。いずれにしても、食味の向上および従来の作業工程、作業時間の短縮が期待できる。
魚観賞用飼育水への応用 水族館の鑑賞魚の飼育用海水は、最近ではたとえ水族館が海岸に隣接していても海水が汚染されていたりして、遠方の海水の輸送費は経営上無視できない状況にある。また、循環利用している水には最終的に魚の老廃物から硝酸性窒素が蓄積するが洗浄水の補給によって観賞用水槽内の硝酸性窒素濃度を魚に害がない水準にしているのが現状である。
そこで、魚観賞用飼育水の砂濾過の前段階にセラミックス処理を行った。その結果、セラミックス水では飼育水中のNH3はNO2に
NO2はN03 に従来の濾過方式より短時間に酸化移行すること、最終窒素酸化物であるN03
濃度が、対象区でほぼ50ppmであるがセラミックス処理区では25ppmと減少し、脱窒素が顕著に生じることが認められた。セラミックス処理をすれば、水族館の入換水量を減少できるために環境に優しくなり、水コストの軽減に大きく寄与できることが期待される。
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